GIRIへ

車窓から

今日はこのロンボク島に付属している離島(通称ギリ)に行く予定。
ぼろいワゴン車に乗って揺られること30分船着場に到着。ここまでの道のりが素晴らしかった。昨日は夜に到着したので始めて太陽の光の下みるインドネシアの町。牛ヤギ鶏は当たり前のようにそのあたりを闊歩している。小型の馬がリヤカーのようなものを引っ張っているのをよく目にする、これはこっちでは当たり前の乗り物で地元の足にもなっているようだ。たしかチモドという名前。ペナンで見かけるトライショーとポジションは似ているのかなと思うが、トライショーのようにすっかり観光向けになってしまったのと違いこっちはまだ現役で生活の役に立っているように思える。しかしロンボク島は思ったよりも起伏が激しく道のアップダウンが激しい。運転手は慣れているのだろうが日本の整備されている自分にとってはかなり怖い道だった。しかしそれも周辺の海と村とヤシの木の景色に見とれてしまうまでの間だった。南の島のカレンダーに出てくる景色がそのまま目の前に広がる。海に突き出して斜めに生えているヤシの木や白い砂浜に乗り捨てられ半分朽ちているようなボート、田んぼの間を頭に大きな荷物を乗せて運んでいるアンティ、ヤシの木に安全帯も使わないで手と足だけで登っていく男性。同じ南国の島でも都会化されているペナンとは違う、たいていの日本人が想像する南国の姿がここにはまだあった。
というような素晴らしい景色に見とれているとすぐ船着場に着く。
ここから船の両側にバランスをとるものが張り出した小船にみんなで乗って40分ついにギリに到着。
うおっ!着いてビックリ、ほとんど白人さんなのだ。かなり大勢の人がいるがそのほとんどが白人さんだ。こんなに石を投げれば白人さんに当たるような状況は全くの予想外だったので白人コンプレックスの自分は少々うろたえた。しかしそれを悟られてはかっこ悪いのでとりあえず「ふ〜んここって白人が来るんだね」ぐらいに自分を懸命にコントロールする。ペナンでインディアンに接しているので黒人には免疫が出来ているが白人はまだ出来ていない。しかもここにいる白人のほとんどが20代30代の若者だ。しかもなぜかこれはTちゃんも言っていたがここに来ている白人さんはモデル!?と思うほどかっこいい人が多いような気がした。まあこれもコンプレックスのなせる業かもしれないけど。
それはともかくまずは宿探し。散々さがしてようやく一泊300000の宿を2箇所ゲット宿代とリゾート感のバランスをとりたかったので色々物件をあたってみたが結局懐の都合で一番安い宿に決定。我が家の宿はFLUSH、Tちゃんの宿はOZZYと決定。それでもロンボクの宿が200000なのでやはりリゾート地は物価高なようだ。
さてこの島には車がないバイクも一台も見ない。大きな港がないから運んでこれないのかあまり必要がないのかわからないかロンボク島であれだけ見たバイクすら見かけない。変わりに使われているのはチモドだ。道を歩いているととにかくチモドに轢かれそうになる。背後からシャンシャンシャンとサンタクロースみたいな音が聞こえてきたら要注意だ。まずチモドが迫っている。しかもその音が聞こえて振り返ると思ったよりも既に近くにいてあせることになる。正面から馬がパカパカこちらに近づいてくる様はちょっと怖い、その馬が歯でも剥き出していたらなおさらだ。
しかしそれに慣れるのも時間の問題だった、10回もすれ違うと音がしたらすっと身を端に寄せるだけで振り返りもせずによける事が可能になる。人間の適応力はたいしたものだ。適応と言えばいつの間に白人さん社会にも慣れてきていた。レストランでかっこいい白人さんが席に着いたときに、注文の仕方がわからないのか目を左右に動かしたりして挙動を乱している様は実に新鮮だった。自分のイメージではいつも自信満々でおどおどしている様子など微塵もみせないのが白人さんだったがその若者はちがった。おかげであー自分と同じなんだなと当たり前のことを今更確認して一人で安心しておりました。ありがとうあの時向かい側にすわった白人の若者。
さて宿が決まったのでとりあえず一泳ぎにTちゃんと海へ。シュノーケルを借りていざ出発。速い!流れるプールなんてめじゃないほど流れが速い。足ひれを装備して一生懸命に漕いでもその場に留まるのがやっとなほどだ。足ひれを装備してないTちゃんはどうなってしまうのだろうかと心配していると、案の定はるか後方に消えていた。幸いビーチからみて流れが横方向なので沖に流れることは無さそうだが、流されてはビーチを歩いて戻り流されては戻りを繰りかえす彼は強靭だと思った。しかも慣れてきたのかだんだん流されなくなってきたのである。どうやってただのバタ足でこの流れに逆らえるのか不思議だ。しかし海の中はキレイだった。
塩水シャワーを浴びて夕飯へ。この島の宿はシャワーや水道が多少ろ過して薄まっているものの確実に塩水が出てくることになるらしい。なので当然サッパリすることもなく全身にまだベタベタ感を残したままシャワーからでることになる。案の定コンタクトを洗って目に入れると沁みて痛い。ここで生活している人はこれで満足してるのだろうか?夕飯はTちゃんお勧めのイタメシだ。ここは靴を脱いで掘っ立て小屋のようなお座敷にあがりクッションを敷いていただくスタイル、結構落ち着く。何を食べたか思い出せないがやはりピザやスパゲティが美味かったような気がする。ここで一番印象に残っているのは従業員が妙にハイテンションなのとメニューの横に掲げている「マッシュルームあります」の看板だ。この二つの因果関係はどうなんだろうか。きけばこの島には警察もいないらしい。
その後レゲエバーに行って生演奏を聞きながらロングアイランドアイスティとかいうカクテルを飲んで悦に浸る。さて今日もリゾートを満喫した。